

「よく会長は、『自然の摂理に従おう』と
おっしゃいますよね。その中に、いつも
『共生』というキーワードをあげられますが、
どうすればうまく共生できますか?」
突然ですが、船井会長にちょっとインタビュー
してみたのです……。
「自然の摂理を一言で言うと宇宙運営の
ルールだといえます。それは“単純に生きた
方がいい”ということです。
まずは、“良心”に従って正しく生きる。
自然や他人と共生していくためには、エゴでは
ダメだ。世のため、人のために生きようと
しなければならないと思いますね。
また、自分に備わっている長所を伸ばす
という姿勢も大切。現役のコンサルタント
として、いまの世の中では、拡大ではなく
共生、グローバルよりもローカル、エコノミー
よりもエコロジーが望まれていると肌で
感じています。」
「なるほど、よくわかる気がします。
それでは、いまの資本主義社会において、
“単純に生きる”とはどういうことか教えて
ください。」
「資本主義は、明らかに限界を迎えていると
思います。システムは複雑になりすぎているし、
資本主義を支える会社組織もそう。複雑になる
ということは、さきほどの
“天地自然の原則”=“単純に生きる”というのに
反します。
時代が求めているものと、バランスが取れなく
なっているんですよ。じゃあ、どうするか?
モノは、もういっぱいある。カネも十分ある。
そうなると、心の問題を追求するしかない。
要は、いま、自分が幸せだと思えるかどうか。
これが、一番大事です。」
なるほど……。船井会長のコメントには、
やはり重みがありますね。資本主義自体、
スミからスミまで競争の原理でできあがった
システムです。しかし、人間の心の問題に
立ち返ると、こうしてすべての答えが出るの
ですね。まさに、本質を突きまくっていると、
私は思います。
そこで、あらためてみなさんに質問です。
「あなたは、いま本当に幸せですか?」

今から13年前、船井会長は
「未来への分水嶺」(1995年、PHP研究所刊)に、
まるでその後の社会の動きを読んでいたかの
ような文章を書かれています。その中で、競争は
人間にとって、本質的に不幸なことだと断言して
おられるのです。ちょっと、そのポイントを箇条
書きであげてみます。
1.マクロに見ると、自然は、人がまちがった
環境をつくってしまった時のみ競争を生んでいる。
2.競争より、助け合い、教えあうことの方がベターな
ことは少し勉強すると、だれでもわかる。
3.普通は他人を不幸にし、他人から恨まれると
自分も不幸になる。これが、「天の理」である。
4.競争は、競争相手の不幸を喜ばなければない
ような、人間にとって本質的に不幸なことをつくり
出す。
5.たとえ勝ったとしても、こうして自分も他人も
不幸になる。誰も「幸せ」にはならないのに、
競争を善として認めなければならないのが、
資本主義が生み出した根本的な矛盾である。
6.敗れた人々から恨まれることが、勝った自分の
幸せになると仮定しなければならない、知的生物
として最大級の良心の矛盾を人間に与えるのが
競争である。
じっくり読んでみると、たいそう奥が深い内容ですね。
そこで、私なりにちょっとまとめてみました。
競争は、刹那的で自己中心的な“喜び”を生むかも
しれませんが、持続可能で利他的な“幸せ”は
何ひとつ生まない……。
だから、「共生」を考えて生きたいです。
そして、共に育っていきたいですね。本音をいえば、
自分のことは他の誰よりも大事じゃないですか……?
その大事さを本気で認識したら、きっと他者のことを
本気で大事にできるんです。大切な人だから、
喜んでもらえるとうれしい……。
これが、「共生」への原点でしょう。
明るい未来へ向けて……。めざそう! 船井幸雄!
(月刊フナイ☆メディアより転載)