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佐野浩一の『超・人財共育のススメ』 Vol.6「名は体をつくる!」後編

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さて、組織とはいったい何のために存在するとお考え
でしょうか。組織論を専門的に研究されておられる
先生方には、「安直だ」とお叱りを受けるかもしれま
せんが、私はただ一つ「人を活かすために存在する」
と考えています。組織論から一足飛びに評価制度の
議論に進めるのは拙速ですが、組織があるからこそ、
その中で求められる個々の役割や成果が評価される
ことになります。


ただ、ここでいう評価というのは、そのまま給与や
ボーナスの査定だけを意味するわけではありません。
評価というのは、そもそも何をもって社員やスタッフに
報いるかということです。当社のような設立後間もない
ベンチャー企業では、すべてをお金(給与やボーナス)
で報いることはできません。ある一定レベルまで会社
自体を押し上げ、安定させるまで、ないソデは振れない
わけです。


しかし、昨今の新卒者の企業志望理由におもしろい
傾向があります。仕事に見合った対価をある程度
求めるのは当然としても、仕事から生まれる達成感や
喜びに重きをおく風潮が高まってきている点です。


つまり、「活かされている」「認められている」という
環境自体が、“報酬”であるという捉え方です。
力がつけば昇進を。新たな可能性のためには異動を。
人を活かすためには、常々先入観にとらわれない
柔軟な組織編成を心がけたいものです。


何であっても、硬直的なものからユニークなものはまず
生まれないからです。とはいえ、昇進についてはまず
受け入れられますが、一般的に人事異動にはネガティブ
な感覚がともなう傾向があります。


そもそも、人事異動とは、「仕事の質と環境」を変える
ことで、「行動と成果の質」に変化を起こさせることを
意味します。よって、「(その人が)不要になったから」
行なうのではなく、「(その人に)より素晴らしい人生を
歩んでほしいから」行なうという本義を忘れてはなりません。
もし、社員に人事異動をマイナスイメージで捉えさせて
しまっていたとすれば、それはひとえに経営者の責任
といえるでしょう。


日頃の努力や成果に対して、「名前」で報いる。組織を
つくることは、その企業がどのような方向性で社員を
育てようとしているのかを示すための手段であると、
私は思うのです。組織がそうした視点で構成されている
とすれば、「名前」を変えることで、仕事の質や期待値を
変え、社員に具体的指標を指し示すことができるのです。


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ところが、船井会長は役職や呼称に対して、
「できればそんなものはないほうがいい」と指摘しています。
ましてや、「~課長代理」「~部長補佐」などとわざわざ
組織を複雑にしたり、意図的にあてがわれるようなものは
必要ないと断言しています。できることなら、何事も単純で
わかりやすいほうがいい、また区別はしないほうがいい
という考え方です。役職以前にある本人の自主性に委ねる
ところの大きさを表現したものと考えます。


つまり、いくら「名前」を与えたところで、組織や経営者に、
「任せる」だけの度量がなければ人は育たないということです。
だからこそ、「名前」を与えることは、
「できるだけ(その人の個性を尊重し)、自由に任せること」と
同義であると考えなければなりません。

人は何かを任されると、不思議とヤル気を出すものです。
「名前」と「自主性」と「自由」、今回のテーマはどうやらこの
3つのキーワードに収束されそうです。「名前」というのは、
本当におもしろいものです。このように考察してみると、
私たちは、かなりの部分、名前に左右されているように
思いませんか。


そうした意味で、やはり「名は体をつくっている」のです。

「名前」が人を育てる…。だから、人っておもしろい。

月刊フナイ☆メディアより転載)


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