本物研だより

特集

第2回 それ、本当に必要ですか?

日本には物が溢れています。
衣・食・住において、暮らしを便利にしてくれるものがすぐに手に入る世の中です。
でも、いま周りにあるモノは本当に必要なものなのでしょうか?

今回はモノを持ち過ぎてしまう方も、そうでない方も、
エコ生活のきっかけとなる考え方をお伝えさせていただきます!

 

必要とは、「必ず要る」と書きます。
必要なもの(必ず要るもの)ってなんだろう。

自然界のすべての生き物にとって必要なものとは、食べ物、水、空気、住むところ、寝るところ、仲間、家族くらいでしょう。
人間の長い歴史をみても、農耕を始めるまでの100万年以上、人間にとっても必要なものはおそらく他の動物と同じだったはずです。
農耕は文明への第一歩と言われますが、同時に、破局への第一歩でした。
農耕によって定住がはじまり、住居ができ、蓄積や所有が始まり、豊かさが可能になったのです。それをより効果的にするために、道具、家具、財産、それを守る仕組みとして、社会制度、身分、権力、支配、武力、軍隊、国家、国境、領土、侵略、戦争という現状の世界ができたのです。

 

私は昭和22年生まれ。何もない時代から、モノにあふれる現在までを経験してきたので、かんたんに振り返ってみます。
幼いころ、家にあった電気製品は電球とラジオだけでした。
小学時代、わが家に電気洗濯機、電気掃除機、白黒テレビがやってきました。
中学時代、電気冷蔵庫、クーラー、電子レンジがやってきました。
高校時代、東京オリンピックを見るために、カラーテレビ(19インチ)に買い換え、ステレオを買い、昭和40年についに自家用車を買いました。
その一つひとつが私には衝撃的な出来事でした。
あらためて考えてみると、物を買うのは、「それが必要」というより、「みんなが持っているから」とか、逆に「みんなが持っていないから」という要素の方が大きかったと思います。

 


本当に必要なものは、先に述べたように、「食べ物、水、空気、住むところ、寝るところ」くらいだろう。それ以外のものは、「本当に必要なもの」ではないはずです。
企業が次々に出す「新製品」は、すべて「不必要なもの」だろう。
つくづく、私たちはコマーシャルに踊らされているのだろう。
コマーシャルと言えば、電通が1970年に提唱した「企業戦略十訓」がすごい。
1.もっと使わせろ  2.捨てさせろ
3.無駄使いさせろ 4.季節を忘れさせろ
5.贈り物をさせろ  6.組み合わせで買わせろ
7.きっかけを投じろ 8.流行遅れにさせろ
9.気安く買わせろ 10.混乱をつくり出せ



その企業戦略十訓の最大の成果が「流行」というものだろう。
「去年の流行は○○、今年は△△、来年は□□」
流行とは、「要るものを捨てさせ、要らないものを買わせる企業戦略」であり、
流行とは、「企業がデザイナーと結託して作り出した、要らないものを買わせる作戦」なのです。ファッション、アパレル、自動車、家具、あらゆるものに流行を作ったのです。
バレンタインデーのチョコレートなども業界の戦略です。


ところで、ものが10倍普及すると値打ちは10分の1に落ち、100倍普及すると値打ちは100分の1に落ちます。持っていることの満足度もステータスも10分の1、100分の1に落ちるのです。これは大変なことです。「あれだけ苦労して買った」ことによる満足感、幸福感が、短期間に10分の1、100分の1に暴落するのですから。
となると、それに代わる満足感、幸福感を求めることになるのでしょう。
ということで、より大きな満足感を得るためには、より高額な商品を買わなければなりません。企業も、より高額商品を売ることを目指すことになります。以前は3C(カラーテレビ、クーラー、マイカー)でしたが、いまや、最大の買い物は住宅(マイホーム)です。
アメリカ政府の「貧しい人にもマイホームを!」という住宅政策は、サブプライム(貧しい人たち)の「マイホームがほしい」という気持ちにつけこんだ国家戦略(詐欺)でしたが、それが破たんして「リーマンショック」が起こり、世界金融破たんが起こりました。


このまま進めば、どうなるか。
たとえば食糧は?エネルギーは?資源は?地球環境は?
本当に必要なものは、「食べ物、水、空気、住むところ」、日本で最も危険なのは、食糧だろう。食糧、エネルギー、資源の輸入が止まるまでに、少なくとも食糧は自給できるようにならなくてはいけません。

日本経済は、50年間で15倍に増えました。経済(GDP)だけではなく、資源の消費も、CO2の排出量も、環境破壊も、ゴミの量も、ほぼ比例して増えています。
いま、それが問題だとわかったのだから、元に戻すしかないのです。
毎年5~10%ずつ経済成長を続けたのだから、毎年5~10%のマイナス成長をすればいいのです。このことの必要性をゆっくりでも理解してください。本気ならできます。
自動車を普及させるのは50年かかったけど、やめるのは50年もかかりません。やめるのはすぐ。免許を取ったり自動車を買うのはお金も時間もかかるし努力も必要。
でもやめるのはすぐ。どんどん、アイデアが出てきます。

何かほしいものがあり手を伸ばしかけた時、このコラムを思い出してみて下さい。
未来のことを考え、本当に必要なのかを自分自身で判別してみて下さい。
「やめる」ことで未来が大きく変わるかもしれません。

 

■□■プロフィール■□■

NPO法人ネットワーク『地球村』代表高木善之(たかぎ よしゆき)

「美しい地球を子どもたちに」と呼びかけ、環境と平和を中心に、社会問題や生き方について多くの講演を続けている。
1947年大阪府生まれ。大阪大学卒業。パナソニック在職28年、退職し講演や執筆活動に専念。
地球環境、生き方、人間関係、(コミュニケーション、コーチング)などの講演、研修、ワークショップの講師。
著書は、『大震災と原発事故の真相』『幸せな生き方』『コーチング・ワークショップ』
『選択可能な未来』『オーケストラ指揮法』『生きる意味』『非対立の生きかた』『本当の自分』
『ありがとう』『だいじょうぶ』『いのち』『新地球村宣言』 など多数。
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