本物研だより

特集

自分そして家族の命を守る家とは?


最近の家って、消防法とかの規制がやたらとうるさくて、それは、それは、
火事になっても安全なんだと思われているかもしれません。
ところが、私が考えるには、典型的な都市伝説とでもいいましょうか、大きな間違
いだと感じています。

 

先日、「家を留守にしている間に火事を出してしまったので、どうしたらよいか見にきてほしい」と連絡をもらいました。
築10年ちょっとの家で、火事の前に外装をリフォームしていましたので、火事を出したと言っても、外からちょっと見ただけではほとんどわからないくらいでした。

いわゆるボヤという程度でしょうか?

ところが中に入ってみると、焦げくさい臭いが充満していて、煤(すす)で
いたるところが真っ黒になっていました。
ボヤだったとしても消防士さんの消火活動は手加減しませんので、床も
壁も天井も水浸しです。

あげくの果てには、残り火がないかどうか確かめるために壁も天井も大型
バールで壊され、引き剥がされていました。

2階の寝室が火元だったようです。
その部屋に行ってみると、床に穴が開いて他の部屋に燃え移っていったよう
でした。その家の住人はお一人だけだったのですが、寝室で寝煙草をして
いて、吸殻が床に落ちて燻(くすぶ)っていたのですが、そのことに朝になって
も気付かずに出勤されていたようです。

その後、2階の床から燃え広がっていきました。
下の部屋は浴室で、一般的なプラスチック製のユニットバスでした。
床は合板タイプのフローリングでしたので、火のまわりは意外に早く、ユニット
バスの天井内に密集している電線等、ビニール、プラスチックに引火したよう
です。そのまま浴室を燃やしていました。

ユニットバスの大半は溶けて、跡形をとどめていません。アルミサッシの窓も
変形して、割れたガラスごと床に落ちていました。

そこから先は電線が導火線の役目をして、隣からまたその隣へと隣接した部屋
の壁内、天井内に火を運んでいます。消防士さんが引き剥がした壁、天井からその
様子がうかがえました。

ビニールやプラスチック、あるいは合板(ベニヤ)等の製品は溶けたり、
燃えてしまっているのですが、驚いたことに無垢(木材)の梁や柱などはしっかり
と残っているのです。

 

無垢の木材というのは、

一本の天然木を貼り合わせないで使われているものです。

ベニヤや集成材のように薄くスライスしたり、細く切り刻まれた材料を接着剤で固めたものではありません。

最近の木造住宅では、梁、柱等の構造材にも集成材(積層材)が一般的には多く使われています。

何故集成材が多く使われるのかというと、強度が強く、
狂い(伸縮、そり等)が少ないので誰(素人)にでも扱い易く、
木を選ぶ必要がないので、大量生産し易いのが理由です。

単純にその利点だけをみれば、欠点がないように思えるのですが、そこに条件が加わるとその通りではなくなってしまいます。

例えば、
(集成材、合板は)
1濡れたり乾いたりを繰り返すと極端に強度が落ちる。
2よく燃える。
3接着剤(化学糊、石油製材)が大量に使用されているので
 無垢材に比べ燃やしたときに有毒がガスが大量に発生する。
4無垢材に比べ、調湿性能が極端に少ない。
等の欠点です。

いろいろなもの、大きいものを燃やしたことことがある人は分かると思うのですが、
無垢の柱、梁材の切れ端を燃やそうとするとなかなか簡単にはいきません。

表面はすぐに燃えて黒くなりますが、そこからはなかなか燃え進みません。
炭化してしまうと中(芯)まで空気が入らなくなるので燃え続けることができなくなるのです。

他の材が燃えても、その材だけは燃え残ってしまいます。
薪割りをして、小さく細くしなければ、なかなか燃やし切ることはできません。

ところが、集成材や合板はあっという間に燃え尽きてしまいます。ボイラーなどに
入れると釜が熱で壊れてしまうくらいです。燃え過ぎてしまうので、集成材や合板を
中に、くべることは禁止されているくらいでした。

この家には集成材は使用されていませんでした。住人の
今は亡きお父さんが建てられたものです。彼は昔ながらの優秀な大工さんでした。

本当にこの火事を予想して、集成材を使わずに無垢材だけを使っていたのかどうかは
分かりません。でも私が家を建てるとしたら、やはり無垢材の柱、梁を間違いなく使い
ます。お父さんもそうだったのだと思います。

 

もしこの家で柱、梁に集成材を使用していたとしたら、おそらくこの程度の被害では済まなかっただろうと思います。

鉄骨梁でも同じです。一般的には鉄骨のほうが木よりも強いと思われていますが、こちらも火事場等では当てはまりません。
それが証拠に、勇猛果敢で知られているアメリカの消防士たちは、中で人が助けを求めている際、炎の燃えさかる木造の家には躊躇なく飛び込みますが、鉄骨の建物にはほとんど立ち入らないと言われています。

 

何故なら、鉄骨のほうが、木造よりも火に弱いことを経験上知っているからです。
いくらヒーローでもリスクが高すぎるということです。

 

ところが、日本の建築基準法では、この集成梁は無垢の梁より強いとされています。
ですから、そちらを使う方が法律上は正しいということになります。

今回は、家が燃えてしまった場合のことに焦点をあててお話しましたが、火事で亡くなった人の
大半は、その前に死亡しているのが実情なのです。
今回の火事で、住人が朝家を出る前に燃え出していたら、ほとんど被害はくい止め
られただろうと巷では言われているようです。

ですが、こちらの件にしても、住人が出かける前に塩化ビニールや
プラスチック製品が燃え上がってしまっていたら、彼は有毒ガスを吸ってしまい、
一瞬にして身動きがとれなくなってしまったでしょう。

以前、ウレタン枕がたったの10㎝四方燃えただけで、有毒ガスを吸い込んでしまい
亡くなられた事故がありました。
塩化水素などの有毒ガスは数秒から十数秒で命を落とします。

焼け死ぬことより、ガスを吸い込んで神経をやられることの方がはるかに恐ろしい
のです。その有毒ガスの発生原因となるビニールクロスなどは、日本の大半の住宅
で使用されています。

知識をもった上での判断が、自分だけでなく家族を守るということにつながるのだと改めて感じています。

 

■□■プロフィール■□■

株式会社大東建設
http://www.heiwadai.jp/

住まいの新築、増改築、リフォームをする場合、その目的は何だと思いますか?
そこに住まう人々が幸せになることです。
そんなの当たり前だと思われるかもしれません。
ところが、ほとんどの家は幸せになるという目的を果たしているとは思えません。
幸せになるために避けて通れないのが、まずは健康ではないでしょうか。
幸せになる条件があるとしたら、健康がすべてではないかもしれません。
ところが健康を害してしまうとすべてを無くしてしまいます。
本物の家を追求すればするほど、そう思えてしかたありません。
すべては健康の上になりたっているのです。
本物の家とは、家を建てることが目的であってはなりません。
人と家の健康をベースにして、その他の付加価値はそれからだと思っています。
とはいっても、私どもがわかっていることは、ほんの一部です。
住まいを建て、そこに住まう人々と一緒に進化していくしかありません。
そんな、必ずしも登るばかりではない、成長の道程をお話させて頂き、少しでも、お役にたてることが
できましたらと思っております。

 

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