本物研だより

特集

第3回 お肌のツヤ・張り・透明感・潤いを根本から支える

“ゴールデンタイムの眠り”の秘密
こんにちは!少しずつ寒さもゆるみ始めてきました。そろそろ春の足音が聞こえてくる頃ですね。

今回は眠~い春がやって来る一足先に、美肌と睡眠の関係についてお話ししたいと思います。

テレビや雑誌で実年齢よりも若々しく、イキイキと見える女性たちの美容インタビューで最近よく「夜早寝をしている」と耳にすることはありませんか?

彼女たちの言う通り睡眠と美肌には密接な関係があります。良い睡眠がお肌にもいいということは一般的にもよく知られたことですね。

ところで「わたしは毎日7時間眠っているから大丈夫」とおっしゃる方がよくいらっしゃいます。1日に7時間の睡眠を確保することは確かに休息を取る意味で結構イイ線をいっているのだと思います。
実際に健康であればそれで十分だと感じることも多いでしょう。

しかし、実際に睡眠とは単に休息をとるというだけの単純なものではありません。
睡眠による休息ももちろん健康にとって重要な要素の一つですが、本当の睡眠とはもっと深く、多くの効果を得ることができるものなのです。
 
 

皆さんは“ゴールデンタイム”という言葉を耳にされたことがあるでしょうか?
これは夜の22時から深夜2時までに限定された4時間を指し、睡眠にとって最も有効な時間帯です。同じ4時間であっても他の時間帯から切り取るそれとはまったく意味合いの違うものとなるのです。

では、なぜこのゴールデンタイムタイムと称される特定の4時間が睡眠にとって特別だと言えるのでしょうか。

それにはこの自然界の刻一刻と変化する質とヒトの生理機能の変化との関連性によるところがあるのです。

 

photo by:キムラカツミ(photost.jp)

1日の時間の中で朝昼晩と時が移り変わり、それに伴い光、気温、質などの変化が起こりますが、同時にヒトの身体でも変化が起こっています。こういった24時間周期で変化する生理現象のことはサーカディアンリズムとも呼ばれ、ヒトのみならず生物にはその時間帯による生理機能の変化があるとされています。

ゴールデンタイムと呼ばれる夜の22時から深夜2時までの睡眠は、身体がより深い眠りを得やすく、かつ、成長ホルモンの分泌が最も促される時間帯です。成長ホルモンは、ノンレム睡眠と呼ばれる深い睡眠の中でもさらに眠りが深くなると言われる徐派睡眠時に最大の分泌が起こります。この徐派睡眠を得るためには22時にベッドに入り23時半までの時間の中でノンレム睡眠というより深い睡眠状態を迎えることが必要なのです。

成長ホルモンは30歳を過ぎる頃から分泌が低下し始め、10年間のうちに13パーセントも減少するとも言われています。初老というカテゴリーに区分される40歳くらいからは成長ホルモンの分泌が大きく減少し、だんだんと分泌がなくなってくるということですが、このゴールデンタイムにきちんと睡眠をとることである程度以上の成長ホルモンの減少を補うことができます。ですからゴールデンタイムの睡眠はどんな高価な美容液よりも効果の高い強力なスキンケアと言うことができるのです。
 
 

ゴールデンタイムに睡眠をとるということは身体を養うという意味でも非常に大切です。身体の機能は昼食で得た栄養をこの時間帯に体内で栄養に変換するという働きが起こります。ここで作られた栄養が成長期であれば骨をはじめとするその他組織の成長を促す素材となり、成長後の身体においては代謝を促進し、皮膚を作り、骨を丈夫に保ち、免疫システムの強化をするなどの役割を果たしてくれるのです。まさにゴールデンタイムの睡眠とは、美肌をつくり、若さと健康を維持するエネルギーの源となるわけです。

ところが、昼食をきちんと摂ることができなければゴールデンタイムにいくら睡眠をとっても理想的な栄養変換は果たされませんし、また、夕食の時間が夜の20時以降となってしまえば消化のプロセスが睡眠時間にズレ込んで、肝心の栄養変換まで生理機能が追いつけないため得るべきエネルギーを得られないということが起こるのです。
 
photo by:fumiko(photost.jp)

それどころかこの時間帯に睡眠をとらずに活動を続けていれば本来休息すべき胃腸をはじめとする生理機能が休まらないため、栄養変換どころか身体は消耗し、大きく損なわれるのです。不規則な生活、夜更かし、食事の不摂生が肌荒れの原因にとなり、健康を害するとはこういうことからもよくわかりますね。

逆に言えば、昼食にしっかりと栄養を摂り、ゴールデンタイムの睡眠を心がければ美肌も夢ではなく、若々しく健康を保つことが容易になるという言い方ができるわけです。たとえば長年の不摂生が積もり積もっている方があったとしても、根気強く昼食の時間帯、栄養バランスを改め、ゴールデンタイム睡眠を確保すればそのヒトなりの美肌化が起こり、鏡の中の自分が若返り、イキイキとしてくるという実感を持てるようになるはずです。

年齢を重ねても若々しくきれいな女性の美容インタビューなどで聞く、何年も早寝を実践しているという話は、何気ない生活習慣の話をしているようでいて、非常に重要な美容と健康の要を語っているということです。
 
 

よく『美しい素肌を育むスキンケア』などの私の講座に参加してくださる方々に早寝の話をしますと、最初は“とてもじゃないけれど無理ムリ”というお顔を皆さんされます。夜の22時にベッドに入ることのできる現代の大人など滅多にいるものではないのかもしれません。しかし、睡眠の本当の価値を聞いていただくと実際に早寝にトライしてくださる方も少なくはないのです。腹に落とし込んでより深く“知る”ということは何かを改善をするときの力強い動機付けとなるのですね。

現代人は非常に多忙ではありますが、実は早寝をするということは活動時間と休息時間の配置を変えるだけのことです。夜にしていたことを止めて早寝をし、次の日の朝にやるべきことをスライドさせていくことは時間の差し替えだと単純に捉え、できるだけ簡単に考えてみることが極意です。そして、たとえ毎日早寝することができなくても、それでも毎日なんとか22時にベッドへ入ろうと工夫を続けることには大きな価値があるでしょう。

生活習慣を変えることが困難だと感じる方は週に1回のお休みの日だけでも22時に就寝すると決めてみるのはいかがでしょうか? 良い睡眠をとるとお肌がきれいになるだけではなく、身体が軽く、エネルギーに満たされ、頭の回転も良くなるということを感じることがあるかもしれませんよ。それを体験すると身体に良い感覚が記憶されますから、もっと早寝できる日をつくろうと自然に行動が変わってくるものです。これがヒトの自然知性の使い方の一つです。

そして、早寝の習慣を続けるヒトとそれをしないヒトの5年後、10年後には大きな違いが出てくると気づくことです。毎日の睡眠は、美肌、若さ、健康はもちろん、人生そのものさえも左右すると思うのです。なぜなら人生にとって重要な脳の働きが睡眠によってまるで違ってくるのですから。

 

■□■プロフィール■□■

今野枝履子

今野枝履子 こんのえりこ
編集者・美容家
出版社勤務を経てフリーランスに。
アーユルヴェーダをはじめとする東洋哲学やキネシオロジーなど、自然法則に基づく美容と健康の知識を独自の視点でまとめ上げ、執筆活動や講演を通して提供。
心・身体・スピリットにアプローチし、ヒトが幸福になるためのトータルな美容と健康を提唱。多数の講座を主催する。
『美しい素肌を育むスキンケア講座』『素肌ケアとすっぴんメイク講座』 『年末年始の冬太りを解消する お正月スペシャル講座』 『眠ってハッピー! 運が良くなるぐっすり睡眠講座』
以上、朝日カルチャーセンターの新宿校、立川校にて開講。
『自分BODYへの帰り方』…心編・運動編・体質別&食編  『笑えない人生も笑い飛ばす 笑いヨガ講座』以上、Ryu du Ryu講座で開講。その他、講座依頼も随時受付中。出張講座も歓迎。
健康・美容・幸福に関する書籍の企画、雑誌編集、広告など幅広く活動。
■今野枝履子のオフィシャルサイト http://www.kirarihada.net/
■朝日カルチャーセンター新宿校 ℡:03-3344-1941
http://www.asahiculture.com/shinjuku/topics/index.html

■朝日カルチャーセンター立川校 ℡:042-527-6511
http://www.asahiculture.com/tachikawa/

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