第1回 おふとんのお手入れの仕方
はじめまして!ふとん館つただで30年間ふとん屋を経営している、蔦田と申します。
“打ち直し”をはじめとした、おふとんの魅力を今一度多くの人に知っていただきたいと思い、
コラムを書かせていただきます。
今回のコラムでは、私がオススメしている『おふとんのお手入れの仕方』をお伝えいたします。
みなさまが普段の生活で定期的にされているお手入れの仕方の参考にきっとなると思います。
1.カバーを洗濯
2.お日様に当てて干す
3.たたかず、表面のホコリは掃除機で吸い取る
4.お布団をしまう
1.カバーを洗濯
「カバーを洗濯するために、何か特別なことをしたほうがいいの?」という
方が時々いらっしゃいますが、
特別にしなければいけないことはありません。洗濯機で普通に洗えばいいです。
しっかりシワを伸ばして干して下さいね。(特に綿製品)
2.お日様に当てて干す お布団を干すのは、湿気が少ない天気の良い日のAM10:00~PM3:00頃まで。
しかし雨上がりの翌日は晴れたからといっても午前中は水蒸気が残っている
ので、昼頃から2~3時間干すことをオススメします。
また、お布団は夕方まで干さないでください。
西日に長く当てると熱がこもってしまいます。
もし、住宅事情や天候などで干せない場合は、室内で湿気が逃げる工夫を
してください。たたむ・裏返すだけでも違います。
一番よくないのが万年床です。ふとん乾燥機を使っても良いでしょう。
3.たたかず、表面のホコリを掃除機で吸い取る。
たたくと、ふとんの生地や中綿を傷めてしまったり、アレルゲンとなる
ダニのフンなどがホコリに混じっているので舞い上がると
健康にもよくありません。
掃除機で吸いとるか、表面のホコリを払う程度にしましょう。
掃除機で吸う場合は、ゆっくりとずらして表・裏・隅の方までまんべんなく
吸い取ります。
(アレルゲンは洗えば減らせます。できれば布団を年一度洗うといいです。)
4.お布団をしまう
次シーズンまで長期間収納する場合、干して乾燥させ通気性のある綿などの
布で覆ってしまいましょう。
できれば、時々干すと良いです。(1ヶ月に1度ほど)
○時々お手入れをしましょう。
お布団を干す頻度は、①綿や化学繊維は週に1、2回。②羽毛は月に1、2回。
打ち直しの頻度は、①綿や化学繊維の場合は3~5年に1度。②羽毛の場合は8~10年に1度仕立直しを
するのをおすすめしています。
○お布団を長持ちさせるコツ
使いっぱなし・敷きっぱなしが一番良くありません。
上質な自然素材のお布団は打ち直し・仕立てをすれば、いつまでも気持ちよく使っていただけます。
■□■プロフィール■□■
私は、使い捨ての時代でも、どんな時でも変わらずにお布団のメンテナンスを続けてきました。
昔、嫁入り道具の一つに華やかな婚礼布団がありました。それは良い綿をたくさん入れていつまでも、
打ち直しをしながら使っていこうとする日本人の美しい心が隠されていたと思えるからです。
押入れに眠っている古いお布団を打ち直して孫のためのお布団に仕立て直されたご婦人は、
『1人目の孫が生まれ1才になる頃、綿布団の上でとても気持ちよく嬉しそうな顔をして頬ずりをしていました、
2人目の孫も同じように頬ずりをしそのうちぐっすり眠りました。その姿を見て癒されましたが、その時赤ちゃんは
直感的に良い物がわかるのかな?と思いました』とおっしゃられよく似た報告があるたび、
この仕事を続けてきてよかったと確信します。
最近は住宅事情や自然環境も変わりましたがこの自然素材を使ったお布団を特別なものではなく、1人でも
多くの方に見なおしていただきたい。もう一度打ち直しという日本の風習を絶やすことなく取り戻せたら・・・・。
という気持ちで30年続けているふとんやです。
ふとん館つただ 蔦田直彦
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