本物研だより

特集

第5回「夏のスキンケアは、軽やかお肌と冷房対策で乗り切りましょう!」

今回は夏にぜひ取り入れていただきたいスキンケア法についてお話ししたいと思います。

夏は日差しが強く、気温も上がるため、皮膚表面で皮脂や汗の分泌が活発になります。お顔のベタつきや化粧崩れなどが気になる季節ですね。この時期、お肌にとって最も大切なことは清潔を保つことです。皮脂や汗の分泌が過剰になる傾向は強くなるわけですから、当然長時間そのままにしておけばお肌の上で皮脂と汗は酸化し、汚れとなってトラブルの原因にもなるのです。

たとえば、お仕事などで外出が長くなると、朝一番にメイクをして夕方から夜遅くまでそのまま塗りっぱなしで、さらに化粧品を塗り足すなんてことも当たり前のことなのかもしれません。しかし、皮脂や汗はどんどん酸化し、混ざり合いながらさらなる汚れを付着させていることを忘れてはいけません。そして、化粧品に長時間覆われたお肌は、毛穴から皮脂や汗をスムースに排出することができなくなるというリスクもあるのです。



そこで夏のスキンケアとしての提案は、まずできるだけお肌を軽やかに保つことです。基本的にメイクをしている時間ができるだけ短いことが望ましいのですが、それよりももっと重要なことは濃厚で重い質の化粧品をできるだけ避けるという配慮です。

夏のお肌は表皮の新陳代謝が高くなりますから、汗や皮脂をたくさん吐き出したいのです。その循環を滞らせないようにすることが重要です。そうするにはどういった化粧品を使ってメイクをし、UVケアをするのかという選択が結果を大きく分けるでしょう。

ポイントは毛穴をシールドするような化粧品をお肌に載せないことです。たとえば、カバー力の高いリキッドタイプの高機能ファンデーションや、SPF値の高い日焼け止めなどです。こうしたタイプの化粧品は肌を覆って密封させるような効果がありますから、毛穴から排出すべき皮脂、汗の流れを滞らせる可能性が高いのです。

化粧品はできるだけ油分の少ない粒子状のものを選び、お肌を軽やかに保つことが夏のスキンケアの秘訣です。通年を通して私はパウダリィファンデーションのみを使っていますが、天然鉱石で作られたミネラルファンデーションなどがお勧めです。

ちなみにこのミネラルファンデーションは、ニキビ肌でもファンデーションを使ってメイクをしたいというニーズに応えて、アメリカで開発されたものです。油分を一切含まず、肌に付着させることを可能にしたこのファンデーションは、長くニキビが治らずに悩んでいたアメリカ女性たちの間であっという間に広がっていった、効果絶大のアイテムだったと言います。

ミネラルファンデーションは、乱反射効果の高い多面構造の天然鉱石が何種類か組み合わせられて作られたものですが、油分を含まないため、毛穴を塞ぐことなく紫外線をブロックすることができます。そのため、特に新陳代謝が高くなる夏のお肌にはぴったりなのです。こうした化粧品を選ぶことで、素肌が呼吸をするように分泌と排出を行うことができますから、いつでもイキイキと健康な状態を守ることができるのです。



もう一つ、夏のお肌にとって気をつけたいポイントがあります。それは冷房による冷え。体温が上昇し、汗をかいたところに冷房の冷気が当たると、汗が乾いていく過程において表皮の熱が奪われ、血流が弱くなって皮脂や汗の分泌も低下してしまいます。こうなるとお肌のバリヤ機能も落ちてきて、さらに冷房の悪影響を受けやすくなるという負の連鎖に陥る傾向が強くなります。こうして冷えて乾燥したお肌は紫外線からのダメージも受けやすく、弱化した状態になってしまうことがあるのです。

夏ならではのスキンケア・ポイントは、このようにお肌に余分な油分を載せず、清潔に保ち、冷房の冷えに注意するということになりますが、さらに年齢や肌質によってはケアの方法に多少の違いが出てくるようです。



皮脂の分泌量が多く、お肌がテカり、化粧崩れをしやすいヒトの場合は、皮脂の多いTゾーンを時々脂取り紙などで押さえる場合もあるかもしれません。しかし、肌タイプとして多いコンビネーション・スキンにはやはりリスクを伴います、紙という素材は想像以上に脂分と水分を奪う可能性があり、また、表皮を傷つけないとも言い切れません。特に40代以降は一般的にお肌の乾燥が進む傾向にありますから、十分に注意することが必要です。ですから汗をかいたときには、できればガーゼやタオル素材の、柔らかくて汚れを吸収しやすいもので押さえることが良いのではないかと思います。

もし、鼻などに過剰な皮脂を感じるときには、1日2回までを限度として、その部分だけに注意深く脂取り紙を使うことをお勧めします。こうしてマメにお肌の汚れを押さえるだけでも清潔度はずいぶんと変わってきます。

もう一つのポイントは、メイクや日焼け止めなどの化粧品をできるだけ早めに落とすことです。お肌の上の化粧品は毛穴の働きを妨げ、また、乾燥の原因や、汚れのもとともなります。ですから必要なときだけメイクや日焼け止めをつけて、あとはできるだけ早く洗い流すことが美肌のコツとなるでしょう。

もし、お子さんの運動会などで2時間炎天下の中、応援しなければならないとしましょう。そのときにSPF値の高い日焼け止めを使うようでしたら、2時間後にはきちんと落とすことが理想的です。そうすればお肌にあまり負担をかけることなく紫外線のプロテクトができるでしょう。しかし、そのままSPF値の高い日焼け止めをつけたまま1日を過ごすようであれば、その分だけ毛穴を塞ぎ続けることとなり、結果的には美肌から遠ざかる可能性も少なくはありません。もし、1日中つけっぱなしで過ごさなければならないのであれば、せめてお肌に負担の少ないSPF値12くらいまでのものを選んでみてください。
 最後に夏の冷房によるお肌の機能低下を防ぐためのアイデアもご紹介します。それは毎日湯船に浸かるということです。夏ですから熱いお湯に浸かることはかえって健康を害することもありますので、37~39度くらいの自分にとって熱過ぎないお湯にゆっくりと浸かって身体を温め、循環を促すことが大切です。週に1~2回の半身浴や、ジャクージなどを上手に利用して新陳代謝を低下させずに夏を乗り切りたいものです。また、職場などの環境によっては1日中強い冷房を浴びなければならない方もいます。その場合は、レッグウォーマーや上着などの準備をして不用意に冷やさないようにしつつ、半身浴などの頻度を上げて工夫してみてください。夏のお肌を賢く守って、秋もツルツルしっとり美肌で迎えましょう!

 

 

■□■プロフィール■□■

今野枝履子

今野枝履子 こんのえりこ
美容・健康のジャーナリスト
出版社勤務を経てフリーランスに。
アーユルヴェーダをはじめとする東洋哲学やキネシオロジーなど、自然法則に基づく美容と健康の知識を独自の視点でまとめ上げ、執筆活動や講演を通して提供。
心・身体・スピリットにアプローチし、ヒトが幸福になるためのトータルな美容と健康を提唱。多数の講座を主催する。
『美しい素肌を育むスキンケア講座』『素肌ケアとすっぴんメイク講座』 『年末年始の冬太りを解消する お正月スペシャル講座』 『眠ってハッピー! 運が良くなるぐっすり睡眠講座』
以上、朝日カルチャーセンターの新宿校、立川校にて開講。
『自分BODYへの帰り方』…心編・運動編・体質別&食編  『笑えない人生も笑い飛ばす 笑いヨガ講座』以上、Ryu du Ryu講座で開講。その他、講座依頼も随時受付中。出張講座も歓迎。
健康・美容・幸福に関する書籍の企画、雑誌編集、広告など幅広く活動。
■今野枝履子のオフィシャルサイト http://www.kirarihada.net/
■朝日カルチャーセンター新宿校 ℡:03-3344-1941
http://www.asahiculture.com/shinjuku/topics/index.html

■朝日カルチャーセンター立川校 ℡:042-527-6511
http://www.asahiculture.com/tachikawa/

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