遠赤外線とサンラメラ
聞き手:株式会社本物研究所 代表取締役社長 佐野浩一
答え手:株式会社アイエフ 代表取締役会長 松尾善孝氏
佐野:遠赤外線とは何かをわかりやすくお話しいただけますか?
松尾:「遠赤外線とは目に見えない波長・電磁波の一種で、たとえば放射線や紫外線、可視光線(太陽から出る目に見える光)や赤外線などもすべて電磁波です。赤外線というのは、周波数の違いによって近赤外線と遠赤外線に分けられまして、遠赤外線は人間も含めた生命にとって、きわめて重要な波長だといえます。太陽によって、遠赤外線が地球に降り注がれているからこそ、私たちは生きていけるのです。
佐野:なるほど。
松尾:たんに温めるという点であれば、近赤外線は有効ですが、低温やけどを起こしてしまうこともあります。一方、遠赤外線は金属をあたためることもできないのですが、それは金属などの無機体に吸収される波長ではないからです。しかし、人のような有機体には遠赤外線は吸収されますから、遠赤外線の波長とわれわれ人間の波長とが共鳴して、細胞を傷つけることなく温めることができるのです。
佐野:すごいですね!
遠赤外線は赤くならない?
松尾:太陽のあたたかさを思わせる真の赤外線、そういうものをつくれないかと、昭和39年頃に研究していた方がいらっしゃいました。
佐野:39年といえば、私が生まれた年です。
松尾:それがすばらしい研究でして、いろいろお話しを聞きますと、大変に面白いデータを持っていらっしゃいました。その時、発熱体の表面に新たな素材を使ったらどうかということから話が進みまして、その後商品が完成することになりました。
佐野:他の遠赤ヒーターですと、金属が使用されているのがふつうですが、サンラメラの発熱体には、金属が使用されていないという特徴がありますね。
松尾「そうです。熱源は有機(カーボン)で、その特殊なカーボンにいくつかの材料を触媒にして焼き上げたものがサンラメラの発熱体です。サンラメラの表面温度は約300度ですが、特殊な発熱体のため、これに電気を通しても、可視光線がまったく出ません。
佐野:可視光線のことですか?
松尾:ええ。
佐野:可視光線がでない。つまり、赤くならないということですね。
松尾:ええ、サンラメラは350度くらいまで上げても、可視光線が出ないから赤くなりません。
電気コンロなどを見れば判りますが、温度を上げれば、熱源のニクロム線が赤くなります。
ところが、「遠赤外線」というのは読んで字のごとく「赤く見える波長のさらに外側の波長という意味ですから、赤くなるヒーターは遠赤外線の比率が少ないのです。
佐野:赤くならないというのが、真の遠赤外線ともいえるのですね。
松尾:さっき申し上げましたけれど、たとえば昔からある「やぐらコタツ」などは、熱源が赤く見えますよね。これは、可視光線と近赤外線がかなり出ているということですから、遠赤外線の量は低く、効果も少なくなります。
佐野:コタツのなかに足をいれていると、下半身は熱くなるけれど、上半身はほとんど暖まらないですよね。
松尾:人間の体っていうのは、コタツの中に長時間足を入れていると、足がやけど状態になるのです。人間の体は不思議なもので、足が熱すぎると「冷やさなければいけない」と感じ、背中から冷そうとしますからね。
佐野:つまり、遠赤外線の波長を出しているヒーターはいろいろあるけれども、それがどの程度の割合で遠赤外線を出しているかというのが、重要なポイントといえそうですね。
松尾:そうなのです。遠赤外線療法のような、毛細血管をマッサージして血行を良くするというような効果を得ようと思えば、重要になるでしょう。
ヨーロッパの暖房は輻射式
松尾:ヨーロッパの暖房というのは、体の芯から暖まる輻射(ふくしゃ)式の暖房が多いのですが、80度くらいのオイルヒーターを各部屋において、10月頃になると、いっせいに電源を入れます。
そうすると80度くらいの温度のオイルヒーターであっても、家全体が暖房できるのです。
佐野:輻射というのは、極端な言い方をすれば、太陽の下で日向ぼっこをする感じですよね。ぽかぽかとあたたかい、あの感覚…。ようするに、熱が伝わってくるのですね。
松尾:日本の暖房といえば、基本的に温風で対流ですから、壁の温度を上げることができません。壁の温度を一度あげることは不可能に近いのですが、そういうことが輻射ならできるのです。けれども通常の室内温度計で測定してみると、輻射の場合は、温度計をぶらさげてもあがらないということがあるのですが…。
佐野:ええ。私たちが販売を始めた当初、お客様から頂いた質問の中に、「温度があがらない」または「部屋の温度は何度になるの?」というのがありました。しかし、そういう発想であったのが、その考え方から脱皮してくださる方が増えてきたようです。だから、サンラメラがブレイクしてきた。真のぬくもり、あたたかさっていうのでしょうか。それを追求してくれるお客様が、増えてきたということでしょう。サンラメラは部屋の温度を上げる機械ではなく、簡単にいうと、人間に温かさをはこんできてくれるものなのですね。
松尾:そうです。ひなたぼっこしていると、あったかいですよね?ところが太陽に温度計を向ければ、最初だけ温度がスッとあがりますが、すぐにもうあがらなくなります。それでも、あったかいですよね。サンラメラもそれと理屈は一緒なのです。
なぜサンラメラなのか?
佐野:ヨーロッパなどではうまく活用されているオイルヒーターですが、実際に使ってみると、ほとんど温まらないということがありますよ。
松尾:それには理由がありまして、石やレンガなど、熱を蓄えることができる素材を中心に作られたヨーロッパの家は、長年に渡って暖炉の熱や生活熱を吸収していますから、家自体が一つのヒーターとして作用します。ですから、表面温度が80度前後のオイルヒーターのようなものを各部屋に補助としておくだけで十分なのです。」
佐野:日本は、湿気も多いですから、逆に喚起を促進するような家のつくりにして、カビなどの発生を防いでいますね。
松尾:ですから、オイルヒーターのような補助ヒーターを、日本家屋にそのまま持ってきても、暖房としてはあまり活用できないということになります。しかし、遠赤外線を大量に放出することのできるサンラメラなら、パワーが違いますよ。オイルヒーターの守備範囲が6畳程度なのに対し、サンラメラは同じ消費電力で12~14畳程度まで暖房できます。しかも、人体に吸収されやすい波長ですから、体内の深いところまで浸透し、ぽかぽかして血行も良くなるのです。
佐野:エアコンやファンヒーターの温風などは、スイッチ消したら終わりですものね。サンラメラは消しても、その暖かさは簡単にはなくなりません。すべてが振動していますから、人間の体にあう波長をだしてやれば、波動の原則で、体があったまるということですね。
■□■プロフィール■□■
株式会社アイエフ
代表取締役会長
昭和9年大阪生まれ
大阪府立北野高校卒
大阪の塗料商社で営業経験を磨き、昭和40年建材商社である西岡商事の東京営業所長として上京。
昭和46年、建材・電子部品商社として株式会社アイエフを弟とともに創業(昭和48年株式会社化)し、初代社長に就任。
大手ガラスメーカー日本板硝子の総代行として不燃建材「タイラックス」を道路公団の主要トンネルに納入するとともに、創業当初から遠赤外線ヒーターの開発・販売に携わり、現行の「サンラメラ」の前身である遠赤外線ヒーター「サンペチカ」をこの世に送り出した。
以来40年、妻と、近くに住む息子夫婦・孫3人に囲まれながら、国産最強の遠赤外線ヒーター「サンラメラ」の販売に全精力を注ぎ、平成28年、社長職を長男に譲り会長に就任。80歳を過ぎた今も「サンラメラ」への情熱は変わらない。
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