本物研だより

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第十一回「丹田物語 其の八」

私が職業にしているのは「テラサイエンス(以下テラに略)」という発酵コントロール法での食品加工です。このテラのノウハウは応用が広いのですが、その中の一つに農業技術があります。
テラ農法を大雑把に一言でかたづけますと「土壌中の温度を発酵菌群が活性化されるように安定させる」ことが主となります。さて、現実に行われている農法指導では、その内容がおおむね三種類に分けられます。それは既存農法、有機農法、無農薬・無肥料農法です。
この中でも完全無農薬・無肥料農法は経営が難しい農法である、と、多くの人に思われていますが、環境改善と健康増進を並立させられるのは無農薬・無肥料農法だけです。
私は有機農法の方なども、こちらに切り替えるように成功事例を見せながら指導するようにしております。
とはいえ、この農法の普及には、実際の現場で働く農家の頭を切り替える必要があります。また、本格的な普及には農政も地域の意識も共に変換する必要があります。
日本の農業は技術が確立した職業ですから、外部からすると複雑のようでも日々の営みは単純です。
ただし、なんの道でも上手下手の差は生じます。とくに無農薬・無肥料農法では自然観察力の差が上手と下手の目安となります。もっともなんの道でも観察力は必須な能力であり、私が日々鍛練している『聖中心道肥田式強健術』においても、自己観察力の差が能力覚醒のレベルの違いとなります。
私のこれまでの農業での自然観察力と鍛練で培った自己観察力に鑑みて、農業も鍛練も共に、上手に運営できる時は「観察眼は共通などだ!」なと、思っております。

それは植物の成長力も、人間の能力も共に、力を発現させる時には一瞬または、それなりの時間、期間の間、裡に力を撓める、溜める、我慢する、辛抱するなどと表現される「力をタメル状態を創る」ということがあるのです。

じつは人間の能力発現のための「力のタメ」は、腰と腹との力を同量にすること、すなわち「気海丹田」をグッ!と形成することで最大パワーの発現となります。植物では土中の根の力が創る力であり、根の張り具合により幹の、枝葉の、花の、実の成長力が決定します。これをして根本が大切だ!とか、ど根性がある!とか、物事がしっかり根付いている!などと、言い回すのであります。

人間も植物も目には見えないところに生命力の源泉がある!ことを知ると、人間としての成長や人生の幸福度のありかたの方向性が判るように観察されます。(つづく)

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